偉人のエピソード逸話集

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山下俊彦(松下電器元社長)

山下俊彦(やました・としひこ)略歴
1919年~(大正8年~)松下電器(・現パナソニック)三代目社長。大阪生まれ。大阪市立泉尾工業高等学校卒業。松下電器に入社。戦後、いったん松下を辞めたが、松下=フィリップス提携を機に呼び戻され、その後、子会社への出向、冷機事業部長を経て1952年、取締役26名中25番目から社長に抜擢される。松下の大企業病と闘い、活力を取り戻すため、山下革命と呼ばれる大改革を実施し実績を残した。

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山下俊彦(松下電器元社長)の知られざる逸話

平成21年5月31日
題名:「その他大勢から抜け出す」



日々転職活動をしている人達と接していて感じることは、仕事のことで悩んでいる人があまりにも多いということです。真剣に将来の自身のキャリアを考えてこのままでいいのだろうかと悩んでいる人もいますが、悩みを分析してみると大抵が上司と合わない、仕事がつまらない、仕事がきつい、残業が多い、給与が低い、休みが少ないと悩みというよりも職場や会社に対する愚痴、不平、不満であることが多いと思います。社会で働く以上、何も不平、不満のない人はいないと思います。また理不尽なことがあるのが現実だと思いますが、どんな環境であろうと愚痴、不平、不満を言わず黙々と仕事に打込みむしろ楽しんで取組もうと努力する人も中にはいます。どのような気持ちで仕事に取組むかは様々だがその他大勢から抜け出す人は後者のタイプではないかと思います。

1938年、山下俊彦という男が工業高校を卒業して松下電器(現パナソニック)に入社した。当時松下電器は4000名程の中堅企業で、たまたま学校の先生に勧められたので受けたという。松下電器に入ってからは主に現場で働いていたが仕事は面白くなく、いつのまにかマンネリになってしまい、このままでいいのだろうかと悩んだという。そんな時、山下が手にした1冊の本が彼の生涯働くうえでの精神的なベースとなった。ゴーギリーの「どん底」という戯曲で、そこに「仕事が楽しみならそこは楽園だ。仕事が義務ならそこは地獄だ。」という台詞があった。同じ仕事でもそれを楽しんでやるのと義務でやるのとでは天と地ほどの違いがある。仕事がつまらないか面白いかは誰のせいでもない。自分の心の中にあると強く感じたという。その後、「それを知るものはそれを好むものに如かず。それを好むものはそれを楽しむものに如かず。」という論語の言葉に出会い、仕事は楽しむからこそ良い仕事が出来るのだということを確信したといいます。それから実際に山下はどんな時でもこのことを貫きました。

1962年に山下は松下電工の系列企業のウエスト社に常務として出向させられます。当時の同社は資本金6千万円に対し負債が5億円、しかも労使関係も劣悪という最悪の状態でした。しかし山下は「ガラス張りの経営」を徹底させ3年で再建します。

それから1965年に本社に戻され冷機の事業部長に任命されます。しかしこの事業部は赤字続きのお荷物事業部でした。ここでも山下は「品質でどこにも負けないものを作るまでは売るな」という思いきった方針を打出し、同社のエアコンを4年後には業界トップシェアに導きます。いずれの場合も普通ならば腐ってしまってもおかしくない場面ですが、山下は前向きに考えむしろ楽しみながら再建に取組んでいきました。この功績が認められ1974年には26人中25番目という末席ながら役員にも選ばれ役員会にも顔を出すまでになります。
それから3年後の1977年山下にとって晴天の霹靂というべき出来事がおきます。相談役の松下幸之助が山下を社長に指名したからです。当時マスコミの間で「山下跳び」「25段跳び」とかなり話題になりました。高卒で役員の末席にいたものが突然社長に大抜擢されたのであるから無理もありません。山下は9年社長を務め、大企業病が蔓延していた松下電器の大改革を行い、家電メーカーから総合エレクトロニクス企業へと見事に脱皮させることに成功させました。後に山下はウエスト社と冷機事業部長時代の経験が私にとって実に貴重だったと語っています。

山下のようにどんな環境に置かれても、愚痴、不平、不満を言わず黙々と仕事に打込む人が頭角を現しその他大勢から抜け出せるのではないでしょうか。

「自己の職を耐え忍び、沈黙を守っていることが中傷に対する最上の回答である」これはアメリカ初代大統領、ワシントンの言葉ですが古今東西を問わず、愚痴、不平、不満を言わず自分が成すべきことを黙々と実行することがその他大勢から抜け出す方法のようです。

 文責 田宮 卓
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  1. 2009/05/31(日) 14:06:19|
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