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偉人のエピソード逸話集

創業者、名経営者、政治家、偉人のエピソード、逸話を大公開!

岡田完二郎

岡田完二郎(おかだ・かんじろう)経歴(プロフィール)
【1891年~1979年】日本の実業家。富士通信機製造(現・富士通)元社長。富士通中興の祖と呼ばれる。三重県出身。東京高商(現・一橋大学)を卒業後、古河合名會社に入社。古河鉱業社長、宇部興産副社長を経て現・富士通の社長に就任。富士通発展の礎を築いた。


関連サイト
このブログのトップページ(目次)http://bit.ly/xLH35E
岡田完二郎(富士通中興の祖)語録 http://bit.ly/18w7Dla
出井伸之(ソニー元CEO)語録 http://bit.ly/13lAioD



岡田完二郎(富士通中興の祖)の知られざる逸話

平成25年5月29日
題名:「サラリーマン社長に求められるもの」
 


先日、ソニー元CEOの出井伸之の著書『迷いと決断』を読んだ。今、かつては新しい商品を世に送り出すことで成長してきたメーカーがみな、業績不振にあえいでいる。何故、ベンチャー企業と言われていた時よりも開発資金も、人材もいるのに世の中があっと驚くような商品をつくれなくなったのか、その理由の一つが『迷いと決断』を読んで分かった気がする。

出井はソニーで、創業者チームに属さない初めての『プロフェショナル経営者』、つまり純粋なサラリーマン経営者として10年間ソニーの経営を任された。

出井はプロフェッショナル経営者の最大の悩みは、社内の求心力をいかに確保するかだという。創業者ならば、『会長が言っているから』として社内が納得することでも、プロフェッショナル経営者が求心力を保つには、売上高や利益を増やして、経営の成果を数字で示すしかない。そこで、プロフェッショナル経営者はどうしても、短期的な業績アップに力を注がざるを得なくなるという。

さらに最近は、株主も説得しなければならない。むしろこっちの方が大変かもしれない。つまり経営者が中期・長期的な視野で新商品の開発や、新規事業を立ち上げようと思っても社内や株主の理解を得られず断念しているケースが多く、目先の利益ばかりを追いかけるようになった。その結果、斬新な商品をつくることが出来なくなったのではないかと思う。

とは言うものの、サラリーマン社長に創業者のようなカリスマ性を持てといっても無理である。ではどうすればいいのか? 社内外の人を説得するのに一番必要なのは『不退転の決意』で挑むことではないかと思う。

日産を再建したカルロス・ゴーンは『再建計画がうまくいかなければ責任をとる』と明言した。この決意があってこそ社員の求心力が保てたのではないかと思う。

また富士通、中興の祖の呼ばれた岡田完二郎は、1962年の年頭訓示で『コンピューターに社運を賭ける』と宣言した。私はこの言葉に並々ならぬ決意を感じる。当時はコンピューターの黎明期、リスクが大きいことからライバル会社はコンピューターに本腰を入れることに躊躇していた。そんな中、富士通が業績低迷から抜け出すにはこれに賭けるしかないと岡田は果敢に決断した。この決断にまず技術陣が奮い立ち死に物狂いで頑張った。この岡田の決断があり富士通は79年度、日本アイ・ビー・エムを抜いて国内のコンピューター売上高トップに立ち、名実ともに日本最大のコンピューターメーカーへと躍進し、富士通発展の礎となった。

では経営者は決意や情熱さえ示せばいいのかといえば、やはりそんなに甘くはないだろう。ソフトバンクの孫社長は10代後半のころの気持ちを
『最初にあったのは夢と、そして根拠のない自信だけ。そこから全てが始まった』

とよく表現するがこの言葉に騙されてはいけないと思う。なぜなら孫社長はソフトバンク設立前、事業選択をするために一年半かけてつくった『40の事業の市場調査とビジネスプラン作成の資料の厚さ』はなんと、十数メートルにもなったという。そして誰もやりたがらないパソコン用パッケージソフトの流通事業を選択し起業した。根拠は大いにあるといえる。

サラリーマン経営者にはその事業にかける決意と根拠の両方を示すことが求められるだろう。
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  1. 2013/05/29(水) 21:18:29|
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井伸之出

井伸之出(いでい・のぶゆき)略歴
ソニー株式会社元CEO(最高経営責任者)。クオンタムリープ株式会社代表取締役。1937(昭和12年)年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒、60年にソニー入社。95年社長に就任。99年よりCEOを兼務。2006年クオンタムリープ株式会社を設立し、代表取締役に就任。

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岡田完二郎(富士通中興の祖)語録 http://bit.ly/18w7Dla



出井伸之の知られざる逸話

平成25年5月29日
題名:「サラリーマン社長に求められるもの」

 

先日、ソニー元CEOの出井伸之の著書『迷いと決断』を読んだ。今、かつては新しい商品を世に送り出すことで成長してきたメーカーがみな、業績不振にあえいでいる。何故、ベンチャー企業と言われていた時よりも開発資金も、人材もいるのに世の中があっと驚くような商品をつくれなくなったのか、その理由の一つが『迷いと決断』を読んで分かった気がする。

出井はソニーで、創業者チームに属さない初めての『プロフェショナル経営者』、つまり純粋なサラリーマン経営者として10年間ソニーの経営を任された。

出井はプロフェッショナル経営者の最大の悩みは、社内の求心力をいかに確保するかだという。創業者ならば、『会長が言っているから』として社内が納得することでも、プロフェッショナル経営者が求心力を保つには、売上高や利益を増やして、経営の成果を数字で示すしかない。そこで、プロフェッショナル経営者はどうしても、短期的な業績アップに力を注がざるを得なくなるという。

さらに最近は、株主も説得しなければならない。むしろこっちの方が大変かもしれない。つまり経営者が中期・長期的な視野で新商品の開発や、新規事業を立ち上げようと思っても社内や株主の理解を得られず断念しているケースが多く、目先の利益ばかりを追いかけるようになった。その結果、斬新な商品をつくることが出来なくなったのではないかと思う。

とは言うものの、サラリーマン社長に創業者のようなカリスマ性を持てといっても無理である。ではどうすればいいのか? 社内外の人を説得するのに一番必要なのは『不退転の決意』で挑むことではないかと思う。

日産を再建したカルロス・ゴーンは『再建計画がうまくいかなければ責任をとる』と明言した。この決意があってこそ社員の求心力が保てたのではないかと思う。

また富士通、中興の祖の呼ばれた岡田完二郎は、1962年の年頭訓示で『コンピューターに社運を賭ける』と宣言した。私はこの言葉に並々ならぬ決意を感じる。当時はコンピューターの黎明期、リスクが大きいことからライバル会社はコンピューターに本腰を入れることに躊躇していた。そんな中、富士通が業績低迷から抜け出すにはこれに賭けるしかないと岡田は果敢に決断した。この決断にまず技術陣が奮い立ち死に物狂いで頑張った。この岡田の決断があり富士通は79年度、日本アイ・ビー・エムを抜いて国内のコンピューター売上高トップに立ち、名実ともに日本最大のコンピューターメーカーへと躍進し、富士通発展の礎となった。

では経営者は決意や情熱さえ示せばいいのかといえば、やはりそんなに甘くはないだろう。ソフトバンクの孫社長は10代後半のころの気持ちを
『最初にあったのは夢と、そして根拠のない自信だけ。そこから全てが始まった』

とよく表現するがこの言葉に騙されてはいけないと思う。なぜなら孫社長はソフトバンク設立前、事業選択をするために一年半かけてつくった『40の事業の市場調査とビジネスプラン作成の資料の厚さ』はなんと、十数メートルにもなったという。そして誰もやりたがらないパソコン用パッケージソフトの流通事業を選択し起業した。根拠は大いにあるといえる。

サラリーマン経営者にはその事業にかける決意と根拠の両方を示すことが求められるだろう。
  1. 2013/05/29(水) 20:54:54|
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